-もし、俺がいなくなったら… 御前、どうする? -…な…何でそないなこと訊くん…? -…別に…。 -別にって……。…俺は景吾が消えてもうたらずっと泣くわ…。 そう言って忍足は跡部を抱き締めた。 二人のいる空間は音もなく、ただ時間が流れていく…。 本当は短い時間でも、二人には長い時間が過ぎた頃、 跡部が口を開いた。 -…忍足。 -……何や…? -俺が消えても、俺の心は御前だけのモノだからな? -…ん…その透き通るような瞳も、その声も、髪も、 全部俺のモンや…離さへん…。 -…一生大事にしろ。じゃなきゃマジで殺す。浮気もすんな。 -怖ッ!…ええよ。俺は景吾一筋やさかい。 ずっとずっと、大事にしたる…。たまに乱してやる。 -……。 -……冗談やで?本気にせんといて?(無言のオーラが一番怖いんやて!)- -……。バーカ。別に嫌じゃねぇから… -ほんまに? -いちいち聞き返すな!…それより…- -ん? -御前は平気なのかよ? -……? -…そうか…まだ、気付いてねぇのか…。 -何なん?何の話してんのや? -御前は何も分かっちゃいねぇな…。悪い。時間切れだ。 周りの景色が一瞬で真っ白になった。 驚いた忍足は跡部を強く抱き締め… られなかった。 -景吾?! -じゃぁな、忍足…最後に会えて良かった。 ふっ、と微笑み光に包まれた跡部に、 手を伸ばしても空を掴むばかりの忍足。 -嫌や!何で、何で…俺から離れるん…!! 景吾っ…あれは嘘や言うて…!! -現実を見ろ。俺がどうなってるか思い出したんだろ? 俺はもういくから…。 「はっ……」 せや…景吾は強姦にあって殴られて…俺が見つけたときにはもう…ダメで…。 頭に血ィ上って犯した奴ら捜して見つけて、俺が殺ってもうて… 刑務所に入れられて、今、景吾と一緒に過ごしてた……夢……? 「…景吾…会いにきてくれたん…?はは…」 君の為に頬を流れる涙さえも、 君を呼ぶ俺の声さえも、 君には届かなくて。 手を伸ばしたら触れられそうな気がしたのに この手は空を掴むばかり。 −…愛してる。 と、聞こえた気がするのにそれは気の所為だったのかもしれない。 本当は本当に聞こえたのかもしれない。 「景吾ぉ……愛しとるさかい……もう…こないなトコ居たくないわ……現実は地獄や……」 薄暗い、冷たい空間で、独り…忍足は時間の感覚さえも失った。 残るのは頬を伝う涙。肌に触れる冷たい空気。 「………景吾………一緒にいたい……せやから…今…そっち…行く……」 愛してる人のもとへ、忍足は急ぐ。 薄暗かった空間が明るく、暖かい光で満ち溢れた。 それは、彼の幻覚だったのかもしれない―――……… 翌日、彼は、―――― end......... 忍跡。…意味不明…何処でどう間違えたのやら… |
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