それは、幸せな二人に訪れた不運な運命…
百年に一度、異端の姿で産まれる天使。
それは神が求める美貌の証。
神は自らの命(美貌)を保つ為、百年に一度産まれる異端な天使を取り込むのである…
大人達の間ではそれが普通であって暗黙のルール。
子供達はまだ知らず、大人になるまで何も聞かされない。
だから、異端な子は年頃まで隔離され、誰とも接触しないハズだった……
『なぁ、なんでそんなトコにおんねや?』
おれが、トリカゴってゆうトコにひとりでいると、
へんなはなしかたをするこがあらわれた。
おれは、おれいがいのこをみるのははじめてで、とまどっていた。
『?? なぁ、さみしくないん?』
『…だれだよ』
『え…あ、おれ!おれはなゆうしや!よろしゅう』
『ふーん…おれはけいご…』
『けいご、か。ほならけいちゃんなぁv』
『な…へんなよびかたすんなよ!』
『えぇやん。へるもんやないし』
『そりゃ…そうだけど…』
『で、けいちゃんはなんでここにおるん』
『…わかんない。だれもよらないから』
『……ほなおれがまいにちきたる!』
『え…?』
『こんなせまいトコでひとりはさみしいやろ?おれがともだちになったる!』
『さみしくなんか…』
ない、っていいたいのにいえないおれ。
なんで…?
『――あ!これからじゅぎょうあるさかい!またあしたくるわ!』
『…あしたも…?』
『せやvおれはけいちゃんのともだちやからv』
『―――…わかった!またあしたなっ』
それから毎日。侑士は景吾の元に遊びにきました。
その日あったことを面白おかしく話す侑士。
それを聞いて笑う景吾。
二人はいつも幸せそうでした…
「景ちゃん」
あれから何年も過ぎ、二人は青年になっていました。
「何だよ」
「今日な、何か話あってん」
「話ならいつもしてるだろ?」
「せやけど…今日のはおもろないねん…」
「あーン?」
「……実は……」
「?」
「俺、景ちゃんが好きや」
「……俺も好きだぜ?」
「友達やのうて」
「――――……あぁ…」
「!!…今すぐ抱き締めたいわ…」
「…此処から出られたらな」
「ほんまに?」
「今までで俺が嘘ついたことあったか?」
「あらへん…ありがとなぁ…景吾…」
「…うるせー///」
「へへ…」
幸せな時間。
いつまでもこのトキが続きますようにと、
二人が顔を寄せ合った瞬間。
侑士のカラダに鎖が巻き付いた。
「!?」
「侑士?!」
『今日で20年の月日が流れました』
「何…?」
『時間は十分に経った。景吾はこれから儀式に送れ』
「な…俺が儀式…?」
『そうです。貴方は神に命を与え、その一部になるのです』
「!!? 嘘や…景ちゃんがあの、生贄やなんて…!!」
『嘘ではありません』
「……だから…隔離されていた…?」
『そうだ』
「じゃぁ何故、侑士が此処に入れた?」
『それは…』
「早く言えよ!」
『…貴方に近付かせれば、彼は掟を破ったことになる』
「…まさか…」
『えぇ。彼は掟破りの者として永遠の苦痛を与えられます』
「侑士はあのときから厄介者だった…?」
『えぇ』
「何やねんそれ…」
『時間、です』
耳につんざくような鐘の音が響いた。
侑士は拘束され、景吾は鳥籠から出された。
「嫌だ…俺は侑士と…!!」
「離せ!このまま景吾を放っておけるか!」
『これは運命であり、誰も逆らえない』
侑士は愛しい人の体にも触れられず、其の最後を見届けた。
今までの生贄は、喜んで神を受け入れたという。
景吾は最後まで抵抗し、あっけなく、取り込まれた。
ガチャン!!
地下へと堕とされた侑士。
薄暗い檻に入れられて、酷い拷問に耐えた。
羽根を落とされ、体中に痛みを感じながら――
『どんなに足掻いても、御前は死ねない。愛しい恋人のトコになんか行けねェんだよ』
看守が去ったとき、侑士は必死で暴れた。
色々な所に傷が出来ても、激痛が走っても、暴れ続けた…
ただ、愛しい人の元へ行きたいが為に―――
End.....
…パラレル?
眠気と戦いながら書いたので色々おかしいです…。
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