晴れ渡った空を見上げながら
俺は何度も 御前を思い出す。




「景ちゃん、」
「あァ?」
「空、綺麗や…」


御前に言われるまで何も気付かなかった俺。
空を見上げると其処には−−…


「……」
「な?綺麗やろ?」
「……あぁ」
「景ちゃんも綺麗やけどね」
「…てめぇもな」
「お?珍しいなぁ」
「どういう意味だ」
「そのまんまの意味」
「……」
「…何むすっとしてん」
「…別に」
「……ほんまかわえぇなぁ…景ちゃんは」


くすくす笑いながら御前は言った。
…『景ちゃん』と呼ばれることになもう慣れた。
いつもいつもそう呼ぶから。
何でこの俺がちゃん付けで呼ばれなきゃなんねぇんだ…


「…好きやで…景吾…」
「……あぁ…」


たまに真顔で告る。(…不覚にも惚れ直す俺…)


「今惚れ直した?」
「…バーカ」
「図星なん?かわえぇ〜」
「るせぇ…」
「…あ、」
「あん?」
「景ちゃん、俺を名前で呼んだことないやんかぁ」
「…それが?」
「名前で呼んで」
「断る」
「何でや!えぇやんかぁ…景吾ぉ」
「……」
「頼む!このとーりっ!」
「………」
「一回だけ!」
「……………」
「…ダメなん…?」
「…一回?」
「せや。呼んでくれる?」
「………侑士
「聞こえんかった」
「………………侑士
「まだ聞こえん」
「…………………………侑士!」
「あぁーっ!!やぁっと景ちゃんが俺の名前呼んでくれた!!」
「っ大声出すんじゃねぇ!!」
「景ちゃんも大声やん」
「うるせー!」
「ありがとうな、景吾」
「……フン」
「もー…愛しとるでー!!!!
「空に向かって叫ぶな馬鹿!!!!!」
「めっちゃ嬉しいんや。叫ばして?」
「…好きにしろ…」


こうして、御前は声が嗄れるまで叫んでた。





























−−−数年後、突然俺の前で…死んだ。

交通事故。信号無視ったトラックが突っ込んできて。
俺をかばって。

目の前で。

息絶えた。



















凄い音がして、閉じてた眼を開けたら、
忍足が横たわってた。
周りから悲鳴が聞こえる。
まだ、
状況が飲み込めない。
トラックが…
俺が轢かれそうに…
忍足が…
かばって…?

「お…した…り…?」

眼鏡がなくて、……血が……!!!!

「ッ−−−侑士!!!!!」


もう、遅い。侑士は、さっきまで笑ってた侑士は、いない。



















『景ちゃん、大好きやで…』



空を見上げればあの時を思い出す。
俺が初めて名前を呼んだ日。
御前が大声で俺を好きだと言った日。


…幸せな日々−−











空は快晴。青く澄んでいる。
亡き人を想いながら、今日もまた過ぎていく…















End....................










忍足さんごめんよ。これしか思い浮かばなかったんです…
跡部もごめんよ。
文才ないけど頑張ってマス。

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