なぁ…アンタ、俺を買わないか?







「―――…は…?」
「は?じゃねェ」


高そうなコートに身を包んだ男が、貧弱そうな男に話しかけた。


「何言うてんねん…俺は金あらへんから他あたり」
「…動じねェんだな。金ねェなら言い方変えてやる。俺を貰え」
「…俺んち狭いで。無理や。それに何で命令口調…人に頼んどる態度やない」
「気にすんな。狭くてもいい。何でもしてやるから」
「……何でも?」
「あァ…俺は大体のことなら何でも出来るぜ?勿論…性欲処理も、だ」
「…………」




不敵に微笑んだ彼に惹かれた俺。
その目は今までみてきた人の目とは違う。
何かが、………




「……おい」
「何や?」
「此処に住んでんのか?」
「せや」
「…何で嘘ついた」
「綺麗な華には棘がある、言うやろ」
「棘はねェよ。御前、何で学生なのにこんな豪勢なトコに住んでんだよ」
「俺の親がなぁ…って、素性も知れん奴に教える義務あらへんで」
「……」




あ、黙ってしもた。
ちぃとキツかったんかなぁ…
……空気重なるやん。何か話題話題ー……




「…名前は?」
「俺か?」
「アンタ以外に誰がおるん?意外と天然ボケなんか?」
「……」
「ん?どしたん?」
「…ぁ…いや、何でもない。俺は景吾だ」
「ほー。ほなら景ちゃんな。俺は侑士や。よろしゅうな、景ちゃん」
「普通に呼べよ。…此処で生活するには何したらいい」
「んー……まずは風呂入ってその汚れ落としたらえぇ」
「汚れ…?」
「気付かなかったんか?色々付いとる」
「……あぁ……」
「…。男に?」
「…いつものことだ。これくらい」
「最低な奴やな。そいつ捜し出して殴ったろか」




ほんまに腹立つわぁ…綺麗な景ちゃんをこないにして!
と、言ったら景ちゃんはいきなり笑った。




「Σ何?!」
「ははっ、侑士って面白いんだな。関西人だからか?」




あー…多分。
そないなことより…な、景ちゃんの笑った顔、有り得ん程かわえぇんやけど!
どないしよ…このままずっと笑っててほしいわぁ…癒されるv




「…ん、何見てんだよ?」
「…いやー…景ちゃんて笑った顔かわえぇんやなー思て」
「Σ?! 可愛くなんてねェよ!」
「もー怒ったトコも可愛く見えるわぁvvほら、お風呂入ってき?」
「この…眼鏡め」
「眼鏡やもーん。俺の服用意しとくさかい。はよ行き」




何やらぶつぶつ言いながら風呂場へ向かう景ちゃん。
不貞腐れた顔もかわえぇvv別嬪さんはどんな表情もえぇもんやね。
連れて帰ってきて良かったわ。うん。


暫くしてから服を持っていき、ソファに寄りかかりながら本を読む俺。
勿論恋愛小説。くぅー…!えぇ。ほんまにえぇ。こないな恋してみたいわぁ…
相手はおらんけど……景ちゃんとやったら…これも運命的な出会いかも…?




「……おい」
「…んぁ?」
「風呂上がった。次は何すればいいんだ?」
「………」
「……あーん?」
「…色っぽ……!」
「…当たり前だろ?こうじゃなきゃウリは出来ねェよ」
「さよですかー…」
「で、何すりゃいいんだ?」
「…とりあえず話し合い。隣に座ってくれるか?」
「おう」




無防備に隣に座る景ちゃん。
きっと演技なんやろな…劇団とか入ってその道でもイケルんやないか?




「話って?」
「えー…景ちゃんのこと、聞きたいなぁ」
「…ウリやってる理由とか?」
「まぁ」




景ちゃんは淡々と話し始めた。
自分は孤児院に入ってて、其処が嫌で抜け出し、街に出たら犯され、
散々な目に遭って今に至るそうだ。
ウリは、仕方なくやっている「仕事」と言っている。




「…大変やったんやね」
「別に」
「…さっき相手した野郎に汚されたん」
「服をな。いろんなトコにぶっかけやがるから」
「あー…」




何でこないに淡々と。
返事しづらくなるやろ…!!!




「…侑士のことも」
「俺?俺はいたって平凡な暮らしやで」
「ふーん」
「ふーんて…それだけかい!」
「平凡な暮らしなんだろ?それだけで十分だ」
「さよか…」
「……あ、何で俺を貰ってくれたんだ?」
「…なんとなく」




惹かれた、とは何故か言えなかった。




「ふーん…」
「…さ、今日はもう遅い。寝よか?」
「ん」
「景ちゃんは寝室な」
「…俺は此処でいい」
「此処冷えるで?景ちゃんは」
「冷えたら侑士が困るだろ。俺は居候だから」
「…優しいんやね」
「別に」
「…ほな一緒に寝よか??」




なぁんて、冗談で言ってみたり。
いくらなんでもこれは……




「いいぜ」




即答かい!!
流石ウリやってるお方……








まぁ、そんなこんなで売春婦(?)との同居生活が始まった…














































数ヶ月後。









「ほな、ガッコ行ってきますわ」
「おう。帰りは?」
「今日も早めに帰ってくるで、景ちゃんv」
「…女作るなよ?」
「俺は景ちゃん一筋や」
「当たり前だ。バーカ」
「景ちゃんもウリせんといてな?」
「おう。…じゃ、行って来い」
「えぇ加減その命令口調をなんとか…」
「うるせェよ。ほら、早くしろ」
「あーはいはい……」






ちゅ、と景ちゃんに口付けて、俺はガッコに向かう。
景ちゃんはきっと家事をこなすだろう。

新婚さんみたいや…vv








出会った日から数ヶ月。
お互いに惹かれ合い、思い合い、いつしかそんな関係になった。








こんな恋でもありですか?
二人が幸せならそれで良いのです。
ほら、学校へ向かう侑士も、
家で待つ景吾も、幸せそうな顔をしているじゃないですか。
見守りましょうよ、私達は………









End++









途中からいい加減…すみません…
まぁ、終わり良ければ全て良し!!でvv(ぇ)
最初はね、凄くシリアスにしようと企んでいたのですよ。
何処でどう間違えたのか……(笑)


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