其の想ひ
偽りなくて
真実と























「宍戸さんっ」


毎日のように俺の名を呼ぶ後輩。いや、毎日呼ばれてるかもしれない。


「何だー長太郎ー?」


最初はただの後輩で、名字でしか呼んでいなかった俺なのに、いつしか名前で呼ぶようになった。


「今日、ちょっと話があるんですけど…構いませんか?」
「あぁ…別にいいぜ。部活終わったらでいいよな?」
「はい!それじゃ、これだけなんで失礼します!」


…それだけなら部活ン時でもいーだろ…(笑)


「宍戸ー…今日チャンスやんか」
「……何のだよ」
「愛の告白」
「………」
「放課後なんてえぇシチュエーションやで?夕日バックに告白!どうや?」
「…あのなァ…部活終わる頃には夜だっつの」
「…星空の下で告白ーゆうんもえぇ感じ」
「生憎今日は曇り」
「Σ!!!」
「………(ニヤニヤ)」
「……もうえぇわ!宍戸なんかフラれて傷ついたらえぇんや!」
「俺がフラれるワケねェだろ?長太郎は断らねー」
「……何でそないに自信満々なん」
「勘」
「勘…て……(もう嫌やわ…止めてこいつ…)」
「…で、御前のほうはどうなんだ?忍足」
「…アタックしてんのやけどな…向こうさんは気付かへん」
「へー…」
「……(人が悩んどるのにその反応…!!むっちゃ腹立つー!!)」
「お、チャイム鳴った。次移動だから早く行こうぜー」
「…自己中…!!」




――放課後――





「ちょたろー」
「はいっ!」
「話って何だ?」
「あの…その…此処じゃちょっと…!」
「? 場所かえるか」
「はい」




場所をかえるとは言ったものの…行くあても無く。
帰り道にある公園に立ち寄った。
昼間は子供達が騒いでいそうなこの場所も、今ではひっそりとしている。




「……」
「…長太郎」
「えぁっ?はい、はい、何でしょう?!」
「…何キョドってんだよ…話あんだろ?」
「すみません…っ!…えと、その…、」
「早く言えよ」
「…俺、ある人が好きで…相談に乗ってもらおうかと…」
「……ふーん。誰が好きなんだよ?」
「…黒猫みたいな人で、精神面でも強くて、俺を支えてくれた人なんです」
「……」
「最初はただの憧れだったんですが、だんだん惹かれて…」
「……」
「ですから、俺と、」
「…俺もな、好きな奴いるんだよ」
「…へ…?」
「ソイツはどーしよーもなく可愛くて、犬みたいで、誰からも好かれて、」
「…ぇ…」
「最初は俺には必要のない存在だって、思ってた」
「あの、」
「けど後になってソイツがいないとつまんねェって感じ始めた。御前がいるから俺はいつも楽しいんだって」
「…………それって、」
「俺は長太郎が好きだ」
「え、………えぇぇぇええぇ?!」
「……何だよその反応の仕方は(耳痛い)」
「だ、って、宍戸さん、そんな素振り見せてな…」
「見せてねーもん」
「……そッスか…」
「…今度は長太郎」
「あ…俺も、宍戸さんが好きです…絶対に先に言おうと思ってたんだけどなぁ…」
「俺の勝ち」
「あはは…何だか…凄い…実感湧きません…」
「じゃぁ、」
「え…?」








「その唇で、感じさせてやるよ」









宍戸は自らの唇と、鳳の唇を軽く重ねた。








「……っ!!!??」
「…実感沸きそうか?湧きそうにねェならまたしてやるぜ?」
「いや、も、も、ももう、わ、湧きましたから大丈夫です…!!!」
「ははっ、焦ったトコも可愛いぜ、長太郎」
「Σ!!もしかして俺で遊んでますか?!」
「あぁ、ちょっとな」
「そんな…!じゃさっきの告白…」
「ばっか、アレはマジだ」
「…本当ですか?」
「嘘ついて何の特があるってんだ」
「それもそうですね」
「…それじゃ、改めてよろしくな、長太郎」
「はい、宍戸さん」










其の想ひ
変わらずあれと
願ふ也







えんど。













宍鳳告白編。微妙。
…ただ俳句が書きたかっただけです。俳句好きなんだもん。
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